(2010年2月26日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
欧州中央銀行(ECB)は、保有しているギリシャ国債に関するデータを公表しない〔AFPBB News〕
巨大な欧州中央銀行(ECB)の奥深く、どこかに多くの投資家が多額のユーロ(またはドラクマ)を払っても見たいと思う数字が潜んでいる。それは、欧州各国の銀行がECBのレポオペを通じて大量のギリシャ国債を預けた後、いったい今、ECBの金庫にギリシャ国債がどれだけ眠っているのかを示す数字だ。
悲しいかな、ECBはこの数字を――仮に時間を置いて出すにしても――あまりに「敏感」すぎて公表できないデータだと考えている。それでも、ソブリンリスクに関する不安が高まっているために、この隠されたデータは一段と重要性を増している。
2月25日に格付け機関ムーディーズが――スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)と同様――、近くギリシャ国債を格下げする可能性があると警告したことを受けて、ギリシャ国債の利回りは急上昇した。例えば、2年物ギリシャ国債の利回りはその日、0.74%上昇して6.4%となった。
国債利回り急騰の背景に、流動性乏しい流通市場
こうした価格の振れは目を見張るものだったが、同じように注目に値するのは、それがここ数日間驚くほど取引の少なかった流通市場で起きたことだ。トレーダーらの話によれば、最近ソブリン債に注目が集まっているにもかかわらず、ギリシャ国債の流通市場は――ポルトガルなどの他の国とともに――流動性が非常に乏しい。
実際、25日にムーディーズの発表を受けて起きた値動きが示しているように、こうした流動性の欠如が価格のボラティリティーを悪化させている。
では、取引高が少ないのはなぜなのだろうか。1つ明らかな理由は、ユーロ圏の債券全体が細分化されているために、ユーロ圏の小国の債券取引は好況期でさえ一度として活発だったことがないことだ。もう1つの重要な問題は、多くの投資家が今、ユーロ圏から出てくる信号をどう読むかについて、大きな不透明感にとらわれていることだ。
2~3年前なら、ユーロ圏がギリシャのような国を本当にデフォルト(債務不履行)させることなど、ほとんどの市場関係者は想像さえできなかった。
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