(英エコノミスト誌 2010年2月20日号)
英国の輸出業者には、やらねばならない大仕事がある。一部の人は、それは英国政府も同じだと考えている。
ロシアの家庭は、エキゾチックで大胆な柄の英国製の壁紙を十分に手に入れることができない。需要はあるのだが、英国のブラックバーンで壁紙を生産するグレアム・アンド・ブラウンが説明するように、輸出信用保険がかけられないからだ。
このため同社は支払い保証を受けて3カ月ごとにロシアに売れるだけ売る――およそ500万ポンド相当――代わりに、ロシアの卸売業者から支払いが受けられないリスクを自ら負って、わずか200万ポンド相当の壁紙を販売している状況だ。
国内需要が弱く、今後数年間は政府の支出が抑制されると見られる中、英国はグレアム・アンド・ブラウンのような企業が海外で売り上げを伸ばし、同国を不況から救い出してくれることを期待している。
ポンド安という強みがあるのに輸出主導の景気回復に時間
英ポンドの実効為替レートは2007年8月以降24%も下げ、輸出には有利なはず〔AFPBB News〕
輸出に期待をしているのは、米国からルーマニアまで、景気後退に見舞われたすべての国も同じである。しかし、英国はポンド安――2007年8月以降、貿易加重ベースの実効為替レートで24%も値を下げた――のおかげで大きな強みを手にしており、とりわけ欧州の主要貿易相手国に対しては有利な立場にある。
過去の経験も心強い材料を提供してくれる。1990年代の景気後退の後は、輸出が英国経済の回復に一役買った。
だが今回は、輸出主導の景気回復に時間がかかっている。2008年に380億ポンド強だった英国の貿易赤字は昨年340億ポンド弱に減少したが、それは国内需要が激しく縮小したせいで、輸入が輸出より急激に落ち込んだからに過ぎない。サービスの輸出――輸出全体の5分の2を占め、財と違って常に貿易黒字を計上してきた――さえ躓いた。
今では変化の兆しも見られるようになった。2009年第4四半期には、英国経済全体が景気後退から何とか抜け出し、輸出も目立って拡大した。確かに輸入の方が輸出より速いペースで拡大した――その点、輸入代替の兆しは見られない――が、輸入品にはモーターなど17億ポンド相当の資本財・中間財が含まれており、遠からず国内生産が上向く兆しがうかがえる。
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