(2010年2月11日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
2月9日の記者会見では、英語でもコメントを発表した〔AFPBB News〕
豊田家の御曹司である豊田章男氏の発言は、奇妙ながらも、問題をなかなか見事にまとめていた。
「Believe me, Toyota's car is safety(信じてください、トヨタの車は安全性なんです)」。日本を代表するトヨタ自動車の社長はこう訴えた。「But we will try to increase our product better(ですが、私たちの製品をもっと良いものに増やせるよう努めてまいります)」
英語がうまく話せないことを馬鹿にするのは、普通なら許されることではない。
しかし、米国でMBA(経営学修士)を取得した豊田氏に完璧な英語で謝罪する術が教え込まれていなかったという事実は、今回のリコール(回収・無償修理)危機におけるトヨタの対応のお粗末さについて実に多くを物語っている。
日本では、謝罪は生け花や俳句と同様に1つの芸術である。しかしトヨタは、2月5日に社長が持って回った表現で自らの責任を認めるまで、顧客(その70%は日本以外の国に住んでいる)の懸念に対応できていなかった。
「日本株式会社」の転落との相似
トヨタの問題がスローモーションの玉突き事故のようにひどくなっていく様子を眺めていると、1990年に日本株式会社そのものが起こした自動車事故、つまり、かつて経営学の権威たちに無敵の存在と持ち上げられた経済モデルが谷底に転落していったドラマの続編を見ているような気になる。
当時は今と同様に、市場シェアを取らねばならないという強迫観念に駆られた企業が無理な事業拡大に邁進していた。そして今は当時と同様に、日本企業の伝説的な取り組み――トヨタで言うなら「カンバン方式」や「カイゼン」――が欠点を覆い隠していた。
20年前の日本経済の背伸びと今のトヨタの苦難とを比較するのは、あまりフェアではない。日本株式会社は結局「ナンバーワン」にはなれなかった。だが、トヨタは本当に勝利を収め、ライバルの米国大手ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーを経営破綻に追い込んだ。
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