(英エコノミスト誌 2010年2月6日号)
ギリシャの国家財政の悲惨な状況は、ギリシャだけではなく欧州全体の政策立案者にとって試金石となる。
ギリシャがユーロに加盟した瞬間から悲劇は避けられなかった?〔AFPBB News〕
9年前の1月にギリシャのユーロ加盟が承認されたその瞬間から悲劇は避けられなかったと言う人がいるだろう。かくもバラバラな通貨同盟には、遅かれ早かれ不幸が降りかかったと主張する人もいるかもしれない。ギリシャでなければ、別の弱いユーロ加盟国が原因となっていたはずだ、と。
危機が不可避だったか否かは別として、困難はやってきた。ギリシャは少なくとも劇的な財政引き締めに耐えなくてはならない。
ギリシャの同胞である欧州各国、あるいは国際通貨基金(IMF)が、屈辱的な支援策をまとめる必要が生じるかもしれない。一部の人は――恐らく見当違いだろうが――ユーロ圏終焉の幕開けさえ口にしている。
昨年、ギリシャの財政赤字はGDP(国民総生産)の12.7%に達した。ギリシャ人が財政赤字削減に取り組むかどうかという懸念が、債券市場の発作を引き起こした。1月末、10年物ギリシャ国債の利回りは7.1%まで跳ね上がり、ギリシャがユーロに加盟して以来の高水準をつけ、ユーロ圏で最も安全な投資先とされているドイツ国債に対するスプレッド(上乗せ幅)が4ポイントに達した。
欧州委員会が2月3日に、2012年までに財政赤字をGDP比3%に削減するとしたギリシャ政府の財政健全化計画を承認すると、騒ぎはひとまず収まった。その前日には、ギリシャのヨルゴス・パパンドレウ首相がテレビ演説を通じて、燃料税の引き上げと、公的部門の賃金凍結の範囲を給与水準の低い公務員にまで広げる策を発表した。
しかし、ギリシャと欧州はまだ難局から脱していない。欧州委員会は、約束事項を守らせるため、ギリシャを注意深く監視すると発言した。同委員会は、ギリシャが今年の財政赤字削減目標であるGDP比8.7%を達成できる確率について、3月半ばに報告書を提出させる。

退任間近のホアキン・アルムニア欧州委員(経済担当)は、GDPに対する債務比率が世界最大級であるギリシャにとって、5月中旬に開催予定の欧州委員会でのプラス評価が信頼回復につながることを期待すると発言した(図1参照)。
もしギリシャが市場の信頼を取り戻せなければ、ギリシャは4月と5月に償還を迎える200億ユーロ(280億ドル)相当の債務の借り換えができないかもしれない。政府はその時点で、デフォルト(債務不履行)するか、救済を受けなくてはならなくなる。
そして、ギリシャは債券市場が危惧している唯一の国ではない。欧州委員会がギリシャの財政再建計画を承認したその日、投資家はポルトガル国債に売りを浴びせていた。10年物ドイツ国債に対するポルトガル国債のスプレッドは0.16ポイント拡大し、1.43%となった。
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