(英エコノミスト誌 2011年10月22日号)
新首相は自民党を見習っている。
大幅増税の後でも、日本のたばこはまだ欧米諸国よりかなり安い〔AFPBB News〕
欧州や米国から訪れる喫煙者にとって、日本は喫煙天国だ。昨年の大幅な増税にもかかわらず、東京のたばこ1箱の値段は今でもロンドンやニューヨークのおよそ半分だ。
飲み屋からはたばこの煙がもうもうと吹き出している。喫煙が社会的な不名誉になることもほとんどない。野田佳彦首相は1日2箱吸う愛煙家だ。
日本政府は2004年に国際的なたばこ規制枠組条約に署名したにもかかわらず、世界第3位の規模を誇るたばこ会社、日本たばこ産業(JT)の株式の50%を保有している。
そのうえ、日本の国会では、喫煙者と彼らの悪癖を支える高齢のたばこ農家は、通常は皇族だけに向けられるような配慮と敬意をもって扱われている。
たばこ増税は立ち消えも
なぜか? それは、10月20日に会期51日間の臨時国会が始まり、野田首相が、発足後7週間の政権の最優先課題の達成――主に3月の津波によって壊滅的な被害を受けた東北地方の復興費用を賄うための12兆円の補正予算案の可決――を目指すことになるからだ。
与党民主党は衆議院では過半数の議席を押さえているものの、参議院では過半数を割っており、法案を可決させるためには、野田首相は野党、特に2009年に半世紀ぶりに政権の座を奪われた自民党の意見に「謙虚に耳を傾けなければならない」(本人の言葉)。
このことは、1万800軒のたばこ農家など、自民党を支援してきた特別利益団体に屈することを意味するかもしれない――たばこ農家の5人に1人は70歳以上で、4100軒の農家は今年がたばこ生産の最後の年になるかもしれないと話しているにもかかわらず、だ。
その結果、恐らく、その他の人々が所得税の増税を強いられることになるだろう。民主党は最近、1本2円のたばこ増税と、国が保有するJT株の売却を提案した。多くの人はこれを、債務で身動きが取れない政府が津波後の復興にかかる巨額費用を賄う賢明な方法と見なしている。だが、この計画も、自民党とその喫煙仲間に阻止される恐れがある。
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