(2010年2月8日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
ここ数日間の出来事は、1992年9月に起きた英ポンドと伊リラに対する投機筋の攻撃を彷彿させた。当時、欧州各国の財務相と中央銀行総裁は、全く理解できないという様子で、怒りをもって事に応じた。
この時、欧州為替制度(ERM)の中で定められていたポンドの中心レートは、今のギリシャの国家財政、あるいはスペインの賃金水準と同じくらい持続不能なものだった。
今、金融市場はいみじくも、ユーロ圏が不均衡に対処していないことを見抜いており、ギリシャ救済に関してドイツとフランスが発するころころ変わるシグナルに混乱させられている。そして投資家たちは、飛び火するデフォルト(債務不履行)の可能性が高まっているという結論に至った。彼らは正しい。
金融市場の反応を理解していない欧州の政策立案者
ギリシャ危機にどう対処するかによって、ユーロ圏の将来も変わってくる〔AFPBB News〕
1992年の危機から変わっていないのは、欧州各国の政策立案者と経済顧問には今なお、金融市場というものが政策にどう反応するか――今回の場合は、政策の欠如にどう反応するか――について基本的な理解が欠けていることだ。
現時点では、あるユーロ加盟国が債務借り換えができなくなった時に、一体何が起きるかが全くはっきりしない。筆者は何らかの救済措置が取られるだろうと思っているが、以前ほどには確信が持てなくなった。
こうした状況下で何より役に立たない意見――先週、実際に投資家のパニックを煽ることになった意見――は、国際通貨基金(IMF)に問題を解決させたらいい、ということだ。その論拠は、欧州連合(EU)は効果的な方法で緊急支援を行う立場にはなく、IMFにはそれをやるだけの経験と人材と制度がある、というものである。
確かにいずれも事実ではあるが、IMF主導の救済を唱える向きは都合のいいことに、これがユーロ圏の将来について金融市場にどれだけ破壊的なシグナルを送ることになるかを無視している。
IMF主導の救済は、ユーロ圏が自分たちの問題を解決できなかったということを証明する。ユーロ圏はひどく信頼を失う羽目になり、投資家から、通貨同盟ではなく、期限の定められた固定為替相場制度と見なされるようになる恐れさえある。
- コメントはまだありません。
» コメントを書く
- 誰でも一度は首相になれる国ニッポン (2010.09.03)
- 回顧録で首相時代の浮沈を明かしたブレア氏 (2010.09.03)
- 米国を苦しめる「刺激策不足」 (2010.09.02)
- 他国を弱めるドイツの強さ (2010.09.02)
- 有権者にそっぽ向かれるオバマ大統領 (2010.09.01)
- ■中国中国人はなぜ世界中で嫌われるのか (09月03日)
- ■Financial Times誰でも一度は首相になれる国ニッポン (09月03日)
- ■The Economist米国の失業:景気より厄介な問題 (09月03日)
- ■日本のものづくり何事も「適度な頃合い」っていうのが大切なんだ (09月03日)
- ■国防日本から大切なヘリコプターが消えていく (09月03日)


RSS
Twitter
最新記事
最新記事
SHARE
RESIZE
Small Size
Large Size
PRINT
Small Size
Large Size








