(2010年1月30/31日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
トヨタと言えば、安全性と品質の同義語だったのに〔AFPBB News〕
トヨタ車のオーナーはよもや、「カムリ」や「カローラ」を停止させるために両足で思い切りブレーキを踏まなければならないとは思いもしなかったろう。だが、トヨタ自動車は先日、米国とカナダの顧客にまさにそうすることを勧めた。
アクセルペダルが突然戻らなくなった場合は、「しっかり力を込めて」両足でブレーキを踏むよう呼びかけたのである。同社はまた、「一番近い安全な場所まで運転し、エンジンを切り、トヨタのディーラーに連絡する」よう呼びかけている。
こうした助言は、かつてデトロイト勢でなら起きたろうと思えるようなPRの悪夢を封じ込める対策の一環だ。
昨年9月に米国で始まり、1月下旬の追加リコール(回収・無償修理)と、対象車種の販売・生産停止によって一段と悪化したこの問題は、2008年に米ゼネラル・モーターズ(GM)から世界最大の自動車メーカーの冠を奪ったトヨタの基準からしても巨大である。だが、その社名が事実上、安全性と品質の同義語となっていた会社にとっては、それ以上に大きな驚きだった。
「安全性・品質」と同義語になっていたトヨタが大規模リコール
トヨタは昨年11月以降、ずれたフロアマットにアクセルペダルが引っかかって戻らなくなったり、ペダルが固まって動かなくなったりする恐れがあるために修理が必要となる自動車、ピックアップトラック、SUV(スポーツ用多目的車)およそ600万台を特定した。
これは昨年北米で販売されたトヨタ車の3倍強、年間780万台に上る世界販売台数の4分の3に相当する数だ。直近四半期に米国販売台数の65%を占めた車種がリコール対象となっている。欧州では、最大180万台がリコールされると見られている。数字は分からないものの、中国でも近くリコールが行われる見通しだ。
トヨタはこの危機を何とか食い止めようとしている。アクセルペダルが固まって動かなくなる問題はインド系部品メーカー、CTSのカナダ工場に原因があることが分かっており、1月26日にトヨタが発表した極めて異例の販売停止によって、カムリ、カローラのほか6車種の供給が停止された。CTSは1月28日に、設計を変更したアクセルペダルの出荷を始めたと述べている。
トヨタを悩ませているのは、関連する車の数の多さだけではない。リコールが同社の評判に与えかねない長期的なダメージの問題もある。昨年暮れにカリフォルニア州高速警察の隊員とその家族3人が死亡した事件を含め、フロアマット絡みの問題は複数の死亡事故に関連づけられている。
米議会の委員会は公聴会の開催を発表しており、トヨタ車を扱うディーラーには心配する顧客からの電話が殺到している。
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