(英エコノミスト誌 2010年1月23日号)
国家の規模と権力が増大し、人々の不満が高まっている。
マサチューセッツ州上院議員補欠選挙の余波の中で、人々の関心の焦点は必然的に、それがバラク・オバマ大統領にとって何を意味するかに向かっている。民主党の故エドワード・ケネディ議員の議席を共和党に奪われたことは、間違いなく民主党の大統領に重大な影響をもたらすだろう。
それでも、今回の選挙結果は、リーダーへの信頼を失った苛立つ有権者たちがばらばらに口にする不平というより、もっと奥深いメッセージ、そう、強大化する国家の力に立ち向かう咆哮として記憶されるかもしれない。
米国で最も勢いがある勢力が増税に反対する「ティーパーティー運動」(写真は2009年4月にワシントンで行われたデモ)〔AFPBB News〕
米国において現在最も活気ある政治勢力は、税金に反対する「ティーパーティー運動」だ。左寄りのマサチューセッツ州民でさえ、オバマ大統領による派手な財政支出、特に未可決の医療保険改革法案が財政赤字を膨らませることを懸念している。
いつもならば選挙が支出争いになる英国でも、今年の総選挙は、どの支出を削減するべきかを巡って戦われることになるだろう。北欧や南欧のような歴史的に国家統制主義的な地域でさえ、政府の規模と効率に関する議論が浮上しつつある。
国家の規模が大きくなる背景には、悪い理由ばかりでなく、良い理由もある。だが、いずれにせよ現在の傾向には歯止めをかけなければならない。
それを実行することは極めて困難な取り組みになるだろう。何しろ国家というものは、規模と権力を増すにつれ、一段と増大化の傾向を強めるからだ。しかし、マサチューセッツ州がそうだったように、有権者たちはいずれ反旗を翻す。そして、恐らくこうした有権者の怒りが今後の政治を形づくっていくのだろう。
政府がどんどん大きくなった理由
政府の興隆の直接的な理由は、金融危機である。各国政府はこれまで、銀行を救済し、恐慌を食い止めるために巨額の支出を行ってきた。一部の国では、政府は今や金融分野で大きな役割を担うようになっている。救済措置と刺激策、それに景気後退の結果、GDP(国内総生産)に占める国家支出と財政赤字の割合は急激に高まった。
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