システム開発は6割スタートがちょうどいい?

2010.01.18(Mon) 乘浜 誠二

経営のためのIT活用実学

upperline

羅針盤なしに突き進むシステム開発

 システムの肥大化を防ぐために同時に必要なのが、システム開発のメソドロジー、つまり「方法論」「手順書」である。

 大手コンピューターメーカーのシステム開発部門、大手システム開発会社などは、メソドロジーを所有しているが、なかなか実践できていないのが現状である。ましてや中堅以下のシステム開発会社ではメソドロジーを持っていないのが実情だ。

 私が1990年代初頭に Ernst&Young に在籍していた時、すでにメソドロジーは存在していた。それは「ナビゲーター(羅針盤)」と呼ばれるものであった。船が航行する際に、最短距離のベストな航路を行くために、羅針盤はなくてはならないものである。システムを開発する場合でも、同様に羅針盤が必要なのだ。

参考までに当社のシステム開発方法論(手順書)「ASD(Accelerated Systems Development)メソドロジー」の概念を示す。
拡大画像表示

 ナビゲーターには、各開発工程(第1回を参照)でやらなければならないことが明記されている。各工程が終了するとチェックシートがあり、それで確認をすることで手戻りがないようにしているのである。

 また、このメソドロジーでは、プロジェクトルームの机の配置や、各種契約を交わすタイミングなどまで、システム開発にまつわるあらゆる細かい作業が書かれていた。各作業には以下のようにコードが割り振られており、コードで管理するのである。
例)
A1101000000  顧客に関する情報収集
A1101010000  顧客の企業概要に関する情報収集(会社案内等)
A1101010100  組織に関する情報収集
A1101010200  主要機能に関する情報収集
A1101010300  地理的所在に関する情報収集
A1101010400  企業戦略に関する情報収集(目的・目標を設定)
A1101010500  業界標準に関する情報収集 ・・・・

  こうしたメソドロジーを所有し、実践している会社はまだまだ少ない。存在を知らない会社もほとんどだ。手順書を持たずに経験と勘だけで構築しているのが実情である。

 メソドロジーは、「オブジェクト指向」などの方法論とは別の視点で捉える必要がある。システムの「品質」の担保に、メソドロジーは必須なのだ。

previous page
3
PR


underline
昨日のランキング
直近1時間のランキング
JBpress Focus

当社は、2010年1月に日本情報処理開発協会(JIPDEC)より、個人情報について適切な取り扱いがおこなわれている企業に与えられる「プライバシーマーク」を取得いたしました。

プライバシーマーク