前回、「日本では、システム構築に費用をかけ過ぎている」という話をした。システム開発時の準備不足や度重なる仕様変更が大きな原因だということを述べたが、原因はそれだけではない。
欧米に比べると、器用に、細かいところまでシステムを作りすぎているのである。クリック1つでなんでもできて、どんな帳票でも出るようにし過ぎているのだ。
一方、欧米のシステムは、骨格部分さえきちんと作ったら、「あと、必要なデータは自分たちで取得して、加工してね」という具合なのである。
「あれもこれも」で盛り込んだものの、使われない機能
実際、過去に当社で行ったシステム開発でも、結果的に「作りすぎ」だったというケースは多い。開発当初は「あれもこれも」と要望があって、機能を盛り込む。だが、実際は60%程度しか使っていないのである。
最初は全要望の60%程度の機能で稼働させ、後から、本当に必要な機能だけを2次フェーズとして開発していった方が、費用は格段に抑えられるはずである。なぜならば、この経済状況下では組織変更や業務の縮小(もしくは拡大)などが当たり前のように起き得るからだ。
また、ユーザー企業は平均して総開発費用の15~20%を開発費とは別に保守料金として毎年開発会社に支払うことになる。余分な機能を最初に構築すると、その分、保守料金は高くなってしまう。
この保守費用が馬鹿にならない。なにしろシステムが役に立とうが立つまいが、払い続けなければならないのである。
極端な意見かもしれないが、最初は60%ぐらいの、ごく基本的な機能からスタートし、資料や帳票は「Excel」や「Access」などで簡単に作った方が得策なのではないかという気がするのである。最終形で80%でも十分である。
IT業界の人間がこういうことを言うと叱られるかもしれないが、ユーザー企業もシステムを作る側も、あまりにも枝葉の機能に固執し、無駄な時間やお金をかけて過剰な機能を作っているのである。
これは経営者の立場から見ると、ナンセンスなのではあるまいか。一担当者の独りよがりや機能のこだわりで費用がかさんでいるのだから。ただし、最終的には担当者を任命した、経営者の責任になるのかもしれない。
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