(2010年1月12日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
『クマのプーさん』には、主人公のクマがパンをはちみつと一緒に食べたいか、コンデンスミルクと一緒に食べたいか聞かれる大事な場面がある。クマは「両方」と答える。大いに愛される児童文学のキャラクターであれば、この手のわがままもすんなり許される。
だが、世界の大国がこのような子供っぽい振る舞いを始めたら問題である。
すべてを欲しがり、債務を積み上げる米国
中期的に財政赤字を削減する確かな計画が存在しない(写真はワシントンの財務省)〔AFPBB News〕
米国人に何を求めているのか――減税か、もっと気前のいい社会支出か、それとも世界一贅沢な軍事装備か――尋ねると、彼らは概ね、「全部」と答える。
その結果、米国は債務を積み上げることになった。巨大な金融危機に対する短期的な対策を考えると、GDP(国内総生産)比12%程度の財政赤字は理解できる。
米国人が心配すべきことは、公的給付が今後確実に急増していく中で、同国には中期的に財政赤字を管理可能な水準まで削減する、信頼に足る計画が存在しないことだ。
米国には、他国よりもずっと長い間、政府が浪費を続けていけるだけの強さがある。だが、もし米国が多額の赤字を出し続ければ、遅かれ早かれ国は破綻の危険を冒すことになる。
奇妙なことだが、その危機はなるべく早く訪れた方がよいのかもしれない。というのも、驚くほど多くの国にとって、国庫の枯渇は国家再生の前兆となったからだ。
国家再生の前兆となってきた財政危機
鄧小平氏による中国経済開放の背景にも、財政危機があった〔AFPBB News〕
過去30年間に起きた地政学的な変化の中で、最も大きく、最も恩恵の大きかった2つの変化――民主主義の広がりとグローバリゼーションの進展――を大きく後押ししたのは、続けざまに財政難に陥った国々だった。
1978年の鄧小平氏による中国経済開放の背景には、財政および外国為替の危機があった。恐ろしい資金ショートに見舞われた中国政府は、より速い成長とより多くの所得を約束する異端の経済政策を受け入れることに前向きになった。その後の話の展開は読者もご存じの通りである。
- コメントはまだありません。
» コメントを書く
- 二番底の懸念が高まる世界経済 (2010.07.30)
- インドのカメは速度を上げよ (2010.07.30)
- 社説:ロシア経済の再民営化のススメ (2010.07.29)
- 米国経済、景気刺激策は奏功したのか? (2010.07.28)
- 社債発行に走る米国企業 (2010.07.28)
- ■中国中国人が日本に大量移住、その数毎週500人 (07月30日)
- ■Financial Times二番底の懸念が高まる世界経済 (07月30日)
- ■Financial Timesインドのカメは速度を上げよ (07月30日)
- ■The Economistハンバーガー経済学で通貨を読む (07月30日)
- ■国防ネット時代は兵器より情報が勝敗決す (07月30日)


RSS
Twitter
最新記事
最新記事
SHARE
RESIZE
Small Size
Large Size
PRINT
Small Size
Large Size









