それが一転、経済が大きく落ち込みました。その落差に愕然としているロシア人の姿が目に浮かびます。そして、経済危機で衝撃を受けたロシア人は家庭に回帰していくことになるのですが、このことはまた後で述べることにします。
その前に、2009年の国際世界は「ロシアのためにあった」という点について説明してみたいと思います。「そんなこと聞いたことがない」。そう言わず、少しお付き合いください。
2009年、世界はロシアに大きなプレゼントを与えた
シンガポールで開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)で会談するバラク・オバマ米大統領とロシアのドミトリー・メドベージェフ大統領〔AFPBB News〕
どうして、2009年が「ロシアのためにあった」かと言いますと、ロシアはある意味、何の努力も苦労もしないで、ロシアに関係する主要な国々が「リセット」という形でロシアに合わせてくれたからです。
まずは米国。
バラク・オバマ大統領は、就任早々にロシアとの関係を「リセットする」と言っていましたが、誰もその中味は分かりませんでした。
しかし、2009年9月にはミサイル防衛(MD)計画の中止を発表、チェコにレーダー基地、ポーランドに迎撃ミサイル基地を設置する計画を白紙に戻しました。ジョージ・ブッシュ政権とそれまで鋭く対立していたトゲが取れた形です。
次に欧州連合(EU)。
グルジア紛争を調査してきたEU特別調査委員会は、2009年9月末に、紛争の口火を切ったグルジアの責任を認定、ロシアは大喜びします。そして、ほどなくEU議長国であったスウェーデン、これに続いてデンマークがバルト海の海底を通してドイツへ向かうノルドストリーム・ガスパイプラインの自国領内通過を承認します。
トルコとスロベニアも、EUのナブッコ・パイプラインに対抗してロシアが打ち出していたサウスストリーム・ガスパイプライン・プロジェクトの自国領内通過を承認しました。
シンガポールで開催されたAPECで握手する鳩山由紀夫首相とロシアのメドベージェフ大統領〔AFPBB News〕
最後は日露関係です。
麻生太郎首相が率いていた自民党政権とは関係が悪化していたのですが、民主党が政権を取り、鳩山由紀夫首相が誕生して自動的にリセットがかかりました。ロシア政府は鳩山政権を歓迎しています。
ただ本格的な関係改善に向けた話し合いはこれからということが、2009年12月末に行われた外相会談でも明らかになりましたが、これまで以上に悪くなることは考えられません。
どうですか?
こうして見てくると、2009年は外交の面においては、本当にロシアはラッキーだったと言えるのではないでしょうか。
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