(英エコノミスト誌 2010年1月2日号)
先進国の静かなる革命:女性が少しずつ職場を支配しつつある
大学生や専門職では、既に女性が過半を占めている国が多い(写真は2008年の「国際女性の日」にローマで開催された、女性の権利拡大を訴える集会)〔AFPBB News〕
世界が祝い事に飢えている現在、その候補となりそうなことを1つ紹介しよう。米国では今後数カ月内に、女性が労働人口の過半数を占めるようになる。
経済協力開発機構(OECD)加盟国では既に、女性が大学卒業者の半数を超えている。米国をはじめとする複数の先進国では、女性が専門職の多数派を構成する。さらに、米ペプシコから仏アレバに至るまで、世界に名だたる企業の多くを女性が経営している。
女性が経済的な力を手に入れたことは、我々の時代で最大の社会的変化だと言っていいだろう。ほんの1世代前、女性の仕事と言えば大抵、同じ作業を繰り返す単純労働に限定されていた。当たり前のように性差別を受け、結婚や出産を機に退職するものとされていた。
それが現在、女性を二流市民と見なしてきた組織のいくつかは女性によって経営されている。何百万もの女性が自らの人生をコントロールできるようになった。そして、何百万もの頭脳が生産的に利用されるようになった。
こうした流れに逆らおうとする社会は――よく知られたアラブ諸国のみならず、日本や南欧の一部の国など――高い代償を払わされるだろう。具体的には、才能が浪費され、人々は不満を募らせるはずだ。
この革命は、ほとんど摩擦もなく成し遂げられてきた。男性は全般に、女性の職場への進出を歓迎している。だが、最良の変化であっても、不完全だったり不満足だったりすることはある。女性の社会進出の場合、そこには2つの痛みが伴っている。
まず、女性は依然として企業のトップに立つことが少ない。大企業のトップに占める女性の割合は米国でわずか2%、英国では5%だ。また、女性の平均賃金は男性より大幅に低い。
仕事と育児の両立
2つ目の痛みは、仕事と育児の両立が難しいことだ。中間層に属する夫婦は決まって、子供のために使える時間が少な過ぎると不満を漏らす。しかし最も割を食っているのは、貧しい層の子供たちだ。特に、女性の社会進出が進んでいる一方で、育児に公的資金を投じることに消極的な米国や英国などの子供たちが厳しい環境に置かれている。
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