(英エコノミスト誌 2010年1月2日号)
日本は20年もの間、バブル時代のツケを払い続けている。
多くの日本人の脳裏には、好景気の思い出がまだ焼き付いている。呆れるような金額を支払ったゴッホやルノアールの絵。マンハッタンの超有名ビルの所有権。狂ったように働いて、週末には大挙してスキーリゾートに押し駆け、結局リフト前の行列で何時間も潰す羽目になったこと――。
ついにバブルが弾けた時は、まだそれとは分からなかった。1980年代最後の取引日となった1989年12月29日、株式市場は史上最高値を記録したが、その後に世界が大きな音を立てて崩れたわけではなかった。
翌年、日本のバイヤーは相変わらずクリスティーズのオークションで印象派の絵画に記録的な金額をつぎ込んでいた。不動産バブルが崩壊したのは、1991年になってのことだ。リーマン・ブラザーズのような破綻劇やバーニー・マドフのような詐欺といった、途方もない傲慢さを銘記するような出来事は何もなかった。
失われていった生命力
しかし、今から20年前に日経平均株価が3万8916円を記録してから、日本経済から徐々に生命力が失われていった。2009年第3四半期の名目GDP(国内総生産)は――世界基準で見ればまだ巨大であるものの――1992年を下回る水準に落ち込み、失われたのは10年ではなく20年であるという印象を強めた。
デフレの文字が、再び新聞の見出しを飾るようになった。2009年12月29日の日経平均の終値は1万638円で、12月25日に策定された補正予算を受けてやや持ち直したものの、最高値に比べると73%も落ち込んでいる。都市部の不動産価格は3分の2近く下がった。スキーリゾートマンションの一部に至っては「バブル世代」が支払った価格の10分の1になっている。
バブル崩壊後に多くの人の生活が苦しくなったのは間違いない〔AFPBB News〕
このような価値の浸食は日本人の心理にどのような影響を及ぼしただろうか?
バブルが崩壊しても、日本は1930年代の恐慌時の米国のようには荒廃しなかった。ホームレスと自殺が増え、若者は良い就職先が見つからず、生活に苦しむようになったが、日本にはまだ1500兆円もの貯蓄があり、輸出企業は依然世界レベルを誇り、市民の多くは贅沢に着飾り、買い物を楽しみ、飽食している。
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