「気候変動会議関係の方ですか?」
COP15(国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議)会場に向かうためバスを待っていると、前のデンマーク人が話しかけてきた。手のかじかむコペンハーゲンでは、「温暖化」と呼ばずに「気候変動」と言うのが印象的だった。
会場前に着くと、海外から集結したNGO団体がデモ運動を繰り広げていた。凍える寒さなのに、水着や下着の姿で温暖化反対を訴えている若い男女グループもいる。その前を白い息を吐きながら、ダウンジャケットを着込んだCOP参加者が通り過ぎていく。
厳寒のコペンハーゲンに集結したデモ隊(COP15会場で、筆写撮影)会場内ではプレス向け発表の席上、記者が「温暖化と言うが、外がこんなに寒いのでは信憑性がない」と指摘した。これに対し、事務局は丁寧に回答していた。「(問題は)全世界の平均気温の上昇であり、局地的な体感温度のことではない。どちらかと言えば、気候が不安定な状態による平均気温の上昇と言えよう」
確かに、何かの間違いではないかと思うほどコペンハーゲンは寒く、デモ活動は熱かった。COP15とは何だったのか。筆者が見た舞台の表と裏を現地から報告する。(記事中の意見に関する部分は筆者の個人的見解であり、所属組織などとは一切関係ない)
合意ではなく「留意」、それでも停滞は打破
結果的に、COP15は法的拘束力のないコペンハーゲン協定を、合意ではなく「留意」とした。それに対する評価は割れているが、各国の首脳陣が集まった場で政治的な合意を取り付けたという点には一定の評価をすべきだ。
後戻りできないよう全世界的にコンセンサスを確保したという意味では、半歩かもしれないが、ようやく停滞状況を打破して前に進んだのは間違いないと思う。
そもそも開催前から、開発途上国側でカギを握る中国が削減を義務としては絶対に受け入れないという姿勢を鮮明にした。その上で、他の途上国とも話を進めていた。
このため、交渉の担当者や関係者は「願わくば、法的合意」という期待感を決して捨てなかったが、開催前から「政治的合意さえ出来るかどうか、難しいのではないか」と危ぶむ観測が浮上していたのは事実だ。
先進国と途上国が対立したCOP15〔AFPBB News〕
COP15開幕直後、途上国側からは今の気候問題の全責任は先進国にあるという主旨の反発コメントが相次いだ。その上、主要国間で調整が進んでいた合意案が欧州の有力紙にリークされる一幕があり、そのこともアフリカや中南米の一部を刺激してしまった。自分たちがいない場で最も重要な合意案が話し合われたことに対し、公式の全体会議で不快感を露わにしていた。
コペンハーゲン協定では、先進国が2020年までの温室効果ガスの削減目標を2010年1月末までに定めることが盛り込まれているが、京都議定書のような法的拘束力はない。達成に向けて具体的な方策や、義務削減量も規定していない。
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