情報システムからなぜ「計画」が抜け落ちるのか

2009.12.22(Tue) 乘浜 誠二

経営のためのIT活用実学

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 この大手通信会社の場合は、見積もりが一番高いところと一番安いところを除外し、残りの会社を候補として発注先を決めていた。

 小規模な開発案件や機能がある程度確定しているシステム、連携するシステムの要件などが明確な場合は、RFIやRFPを作らないことが多い。だが、コンサルティング会社は、RFIやRFPを効率よく作るノウハウがあるので、この工程を勧めてくる。その場合は、相当高額なコンサルティング料を求められることがあるので、要注意だ。

 総開発費用が1億円のシステムなどで、この工程を行うと、3~4割程度がRFIやRFPの策定に課金される場合がある。残りの6~7割でシステム開発やハードウエアの購入、ネットワーク構築などがあると、予算不足になり、大抵の場合、予算を追加しなければならなくなる。

計画工程の重要性が認識され始めている

 さて、以上のようにCIOがいない場合はもちろん、CIOがいても、最大の問題は往々にして「計画」工程が抜け落ちることである。

 そうした状況を改善するものとして、「BABOK(Business Analysis Body of Knowledge)」というビジネス分析のための知識体系が上陸してきている。作成したのは米国の「IIBA(International Institute of Business Analysis)」という非営利団体である。

 BABOKでは、まず経営戦略を達成するための業務とシステムの姿を明確化し、実現シナリオを策定する。TO-BE分析も、AS-IS分析もBABOKに基づいて行われる。鉄則は、「システムとは、経営戦略と適合していなければならない」「実施すべき施策の効果を検討し、投資対象のプロジェクトを決定する」ということ。つまり、経営戦略に沿っていないIT投資は行わない。

 ここで重要なのは、やはり経営者の役割である。経営方針や方向性をシステムに反映させ、ビジネスモデルや企業収益を具現化していくツールとするために、経営者のシステム開発への参画は必須条件となりつつある。

 前回、20年前にCASEツールの中で計画工程のソフトがまったく売れなかったという話をした。最近になって、やっと計画工程の重要性が日本で認識され始めてきたのである。

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