若者はいつまで家賃を搾取され続けるのか

老朽マンションを大リフォームの離れ業!若者だって家を持とう

2009.12.18(Fri) 鶴岡 弘之

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 傷心のハヤト君を立ち直らせるために、井形さんは立ち上がる。まず、「住みたい街 No1」の人気エリア吉祥寺で、築35年の老朽マンションを500万円という格安価格で手に入れる。そこを会社の撮影スタジオとして使うと同時に、ハヤト君が安く快適に住めるよう、大リフォームに挑むのが、本書のストーリーである。

──この本を読んで驚いたのですが、ハヤト君は月々の家賃と彼女との交際費を補填するため、100万円近い借金を作っていました。おまけに ハヤト君が住んでいた荻窪のワンルームマンションは、詐欺まがいの賃貸でした。なんとも悲惨な状況ですね。

『老朽マンションの奇跡』を著した井形慶子さん。情報誌「ミスター・パートナー」を発行する出版社を経営するかたわら、英国についての著作を執筆。主な著書に『古くて豊かなイギリスの家 便利で貧しい日本の家』『お金とモノから解放されるイギリスの知恵』など多数。

井形 極端なケースだと思われるかもしれませんが、決してハヤト君だけが抱えている問題ではありません。ハヤト君は今の若者の典型なんです。

 若者はお年寄り、母子家庭、失業者、障害者と同じように、社会の弱者にカテゴライズされています。少ないお給料の中から税金だけでなく、家賃も搾取されています。また、若者が簡単に借金できるような社会システムが出来上がっていて、すぐに借金に手を染めてしまう。

 住宅専門家の話によれば、20代前半の単身者は、29平方メートル以下の部屋に住む人が7割を超えるそうです。実効有効面積は6畳程度しかありません。それに対して高額の家賃を払って、生活をやりくりしているわけです。所得の低い若者たちは、住むために働いていると言っても過言ではありません。

──率直に言って、なぜ最初からもっと安いところを探さなかったのか、という気がしたのですが。身の丈に合った生活をするという考えはなかったのでしょうか。

井形 残念ながらそういう発想を持つ若者は少ないですね。多くの若者は住まいの選び方を知らないし、家、生活を土台にして暮らしを楽しむという術を知りませんよね。

 欧米ならルームシェアとかDIYの文化などが根付いていて、若者でも生活苦に立ち向かう選択肢がいっぱいある。でも、日本の若者は、欧米の若者のように家の見つけ方とか買い方といった生活の勉強をする機会がありませんでした。

 だから、訳が分からずに都会に出てきて、業者から勧められるままに選んでいる。独房のようなワンルームマンションをあてがわれて、業者のカモになっているような若者がいっぱいいるんじゃないでしょうか。

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