19人のテロリストが4機の民間航空機を乗っ取り引き起こした9.11同時多発テロが、世界を恐怖の渦に巻き込んでから早10年。その「記念日」に合わせた米国でのテロ計画が露見するなど、イラク、アフガニスタン、パキスタン、インド、パレスチナ・・・、と各地から伝わってくるテロのニュースは後を絶たない。

旅行者を苦しめる「テロとの戦い」

成田空港の出発ターミナル

 書店を覗けば、放射能テロ、バイオテロ、環境テロ、食糧テロなど、「テロ」という言葉がそこら中で踊っている。

 「Terrorism」という言葉は、もともと、これから起きそうなことへの恐怖を表す単語「Terror」から派生したものである。

 基本的には政治的意図をもって変革を求める行為というニュアンスもあるから、センセーショナリズム狙いの意図的誤用と言えるものも少なくない。

 そんなテロリズムの影響を、我々一般人がモロに受けてしまっているのが航空機搭乗時の手荷物検査。オープンチェックを要求するところも多く、時間がかかって実にイライラする。

 しかし、もともとテロが頻発していたインド、パキスタンなどでは、ペッパーガス、催涙ガスへの流用を懸念してか、国内線であっても食文化の要であるマサラの持ち込みさえも禁止するほどに、以前から規制は厳しかった。

ブラックリストの同姓同名は悲劇の危険性大

 どう見てもビールでしかない缶ビールさえも手荷物から排除するよう言われてしまい、頭にきてその場で一気飲みしたこともあるが、それから数年がたち、液体爆弾テロ未遂事件が起こると、世界中で液体の持ち込み制限が当たり前となってしまった。

 パスポートコントロールでのチェックも随分と入念にやるようになった。

 テロリストを疑うブラックリストというものが存在していて、リストに載っている名前と照合するのだが、イスラム教徒の名前は「モハメド・アリ」のような同姓同名も多いから、「白」の人がひっかかることも少なくない。

 その点、日本人の同姓同名はずっと少なく、仮に日本人の名前がリストにあったとしてもひっかかる可能性が低いので助かる。