(2009年12月7日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
石油資産が豊富なアラブ湾岸諸国が世界的な経済危機からの回復を遂げようとする中、一部の政府系ファンド(ソブリン・ウェルス・ファンド、SWF)の間では、経営難に苦しむ国内企業・機関を支え、もっと「国のための奉仕」をするよう求められるのではないかという懸念が広がっている。
ドバイワールドが債務返済猶予を求めたニュースが湾岸地域の信頼感を揺るがす前から、中国や中東諸国などの巨額の資金プールを持つSWFの幹部は、自国経済の安定化にもっと協力するよう求められていた。こうしたSWFはもともと自国市場からの多角化を目的としており、最近の動きは当初の使命とはかけ離れている。
困った時のSWF?
ドバイのある大手国際銀行の副会長は「SWFは再び政治化されている」と言う。
また、湾岸諸国のあるSWFでプライベートエクイティ投資部門を率いる幹部は、「市場がいい時は誰もが民営化を求めるが、市場が悪い時には我々に介入を求めてくる」と話す。「人々は政府に損失を分担してもらいたがるが、利益の分配は嫌がる。危機には損失がつきものだ」
KIAは6日、保有しているシティ株をすべて売却し、11億ドルの売却益を確保したと発表した。この売却益も再投資先はクウェート国内?〔AFPBB News〕
事情に通じた関係者らによると、12月6日に保有する米シティグループの全株式を41億ドルで売却すると発表したクウェート投資庁(KIA)は、既に国際投資を縮小しているという。国内への投資を求める政治圧力を映した格好だ。
一方、中国投資有限責任公司(CIC)は、国内の社会的セーフティーネット(安全網)が不十分なのに、海外投資を手がけていることが非難されてきた。
「これだけ大きな混乱に見舞われたら、誰もが資金を自国にとどめておきたいと考えるのは自然なことだ」。米ステップストーン・グループのCEO(最高経営責任者)で、多くのSWFのアドバイザーを務めるモンテ・ブレム氏はこう話す。
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