(2009年11月30日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
寒々しい未来が待ち受ける〔AFPBB News〕
ドバイの次はギリシャなのか? 厳密に言えば、この問いは分類の仕方からして間違っている。債務の返済猶予を求めたドバイワールドは政府系の「企業」であり、「国家」ではないからだ。
しかし当然ながら、多くの投資家にとってそんな違いはどうでもいいことであり、先週はソブリン債のデフォルト(債務不履行)を真剣に心配する声が上がり始めた。では、果たしてギリシャは大丈夫なのだろうか。
ギリシャについては今年初め、ユーロ圏の債券のスプレッド(利回り格差)が突然拡大した際にも、デフォルトの懸念が囁かれていた。この時は、2月になってドイツのペール・シュタインブリュック前財務相が「ユーロ加盟国のどこかがトラブルに直面したら、ユーロ圏として行動する」という趣旨の発言をし、市場の憶測をあっという間に鎮めた。
具体的な行動計画もなく、関係する条約改正に向けた作業がなされたわけでもない。予算の割り当てもなく、ただワンセンテンスの発言があるだけだったが、投資家は前財務相を信じた。それですべてが丸く収まった・・・しばらくの間は。
ここへきて、市場では同じデフォルト懸念が再燃している。ただ、今年の初めとは異なる点が1つある。ユーロ圏は今回、すぐには助けに来ない。欧州連合(EU)が今後数カ月内に課すと見られる数々の条件をギリシャがクリアするまでは、口先での介入も中身を伴う支援も行われないだろう。
デフォルトの影響より救済のモラルハザードを懸念するEU当局
EU当局は、それが適切かどうかはともかく、ギリシャがデフォルトに陥った場合にほかのユーロ圏諸国に波及し得る影響よりも、救済に伴うモラルハザードの方を心配している。従って今、財政安定化協定を守るかギリシャを守るかという選択を迫られたら、EUは恐らく前者を取るだろう。
EUはかなり弱まってしまった財政安定化協定を守るという観点から、いかなる支援についても、同協定を順守する意思を条件にする方針を固めている。さもないと、ユーロ圏の国々の予算編成に対する影響力をすべて失うことになりかねないと心配しているからだ。そして、この協定を軽視している国と言えば、ギリシャの右に出るところはない。
データを挙げてみよう。ギリシャでは今年、財政赤字がGDP(国内総生産)の12.7%相当に膨らむ見通しだ。しかもこれは、会計上のトリックがこれ以上明らかにされることはないと想定しての数字である。
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