問題は、国の借金については落ち着いた態度を崩さない向きですら、日本経済の他の側面については非常に悲観的なことだ。ドイツ銀行は、財政赤字、経常黒字、円高、デフレ、低い名目金利、景気停滞で構成される「鉄の六角形(iron hexagon)」について言及している。
同行系列のドイツ証券でチーフエコノミストを務める松岡幹裕氏は「日本経済がたどる最も現実的な道筋は、破綻ではなく、持続的な衰退か冬眠状態だ」と述べている。
冬眠状態に陥る日本経済とデフレの脅威
冬眠状態は何も目新しいことではない。1991年以降、名目GDPは年間0.1%ずつ成長してきた。2009年第3四半期(7~9月期)には、日本の実質GDPは前期比1.2%増と、G7諸国の中で最も大幅な成長を見せたが、その一方で名目成長率はデフレの致命的な影響を受け、前期比0.1%減となった。
デフレは別の逆風も引き起こしている。厳しい景気後退から抜け出したばかりの国にしては、実質金利が異常なほどに高くなっているのだ。このデフレ状態が続く限り、GDPに対する債務比率は今後も着実に悪化するだろう。
これが意味しているのは、当局は昏睡状態の経済に刺激を与え、円を安くし、経済を再膨張させる思い切った対策を取るべきだ、ということだ。しかし奇妙なことに、日銀は穏やかなデフレの汚名よりもインフレの再燃の方が、自らの信用を傷つける危険性が高いと考えているようだ。デフレスパイラルが起きない限り、経済はいずれ自然に回復すると日銀は信じているのだ。
鳩山政権は、長期的な債務返済どころか、景気回復を持続させる方法についてさえ、まだほとんど検討を始めていない。選挙のマニフェストの「経済成長戦略」にしても、後付けのように盛り込まれたものだった。
アナリストたちは、同政権は来夏の参議院選挙に勝つことばかりに気を取られているため、経済政策に対しては日和見的な態度しか取れないと見ている。日本は、短期的には刺激策を、長期的には緊縮財政に向けた信頼に足る政策を必要としている。今のところ、日本にはそのどちらもない。
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