(2009年11月26日 FT.com)
景気が持ち直す兆しが見えてきたところへ、債務の返済猶予要請の衝撃が走った〔AFPBB News〕
ドバイは25日、世界で最も贅沢な不動産プロジェクトをいくつも開発した政府系持ち株会社ドバイワールドの債務返済猶予を求めて投資家に衝撃を与えた。
この動きは、折しも景気回復の初期の兆候が表れ始めた矢先に、中東の商取引の中心地でデフォルト(債務不履行)が発生するのではないかという不安を呼び起こすことになった。ドバイは、好況期には金融緩和がもたらした驚異的な経済成長の波に乗っていたが、世界金融危機で大きな打撃を被った。
渦巻くデフォルト懸念、一部の投資家は逆上
ドバイの予想外の動きは、一部の投資家を逆上させた。ドバイの政府高官らは何カ月間も前から、景気後退や不動産市場の暴落にもかかわらず、ドバイは総額800億ドルの債務について、あらゆる債務を履行すると確約してきたからだ。「投資家は今回の動きをゾッとするほど悪いニュースだと見なしている」とBNPパリバのロブ・ウィチェロ氏は言う。
ドバイの金融庁は、アブダビの銀行2行から50億ドルを調達したと発表したわずか2時間後に、多額の負債を抱えたドバイワールドと、問題を抱えた傘下の不動産会社ナキール――同社は12月14日に40億ドルのイスラム債を返済する予定だった――に対するあらゆる債務の返済を5月30日まで猶予するよう求めた。
ドバイ政府は、港湾管理会社DPワールド、英国に本拠を置くP&Oフェリーズ、問題を抱えた投資会社イスティスマールを傘下に擁するドバイワールドの再編にも乗り出している。
ドバイのカネ余りの象徴だったナキールは、危機の煽りで瀕死状態に陥っている〔AFPBB News〕
デビッド・ベッカムなど著名人のオーナーを自慢にするパーム・アイランドの開発会社であるナキールは、ドバイの不動産相場が半値に落ち込み、信用が枯渇したため、数千人の人員削減を余儀なくされ、請負業者に代金を支払えないままになっている。
信用収縮以前にはドバイのカネ余りの象徴だったナキールは、キャッシュフローの崩壊で瀕死の状態に陥り、世界一高い超高層ビルや様々な人工島の計画を中止せざるを得なくなった。
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