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500年遅れのイスラム宗教改革

「解釈」のネット検索で、指導者の権威低下

2009.11.24(Tue) 山本 達也

ウオッチング・メディア

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 ところが、イスラムサイトの登場によって、地域の指導者の権威は相対的に低下している。というのも、冒頭に紹介したエジプト人女性のように、ネットを使って著名なイスラム知識人に意見を求めることができるので、モスクにいる指導者だけが、唯一の頼れる存在というわけではなくなってしまったのだ。

宗教解釈のデータベースからセカンドオピニオンを検索

アブダビの名所、シェイク・ザイド・モスク
アブダビの名所、シェイク・ザイド・モスク

AFPBB News

 ウェブサイトでは、過去の相談内容やその回答など、イスラム法に関する法的見解(ファトワ)がデータベース化されている。このため、大抵の問題は、ネット上で過去のファトワを読むことで解決することもできる。わざわざモスクまで足を運ばなくとも、医療の世界で言う「セカンドオピニオン」が手に入るようなものだ。

 イスラム世界には、カトリックなどで見られるような形での宗教的な「権力機関」も特定の「聖職者」も存在しない。イスラム指導者は、あくまでも「学者」であり、神によって定められた「聖職者」ではない。中央集権的なヒエラルキーも、それによってランク付けされた聖職者も存在しない。従って、唯一絶対の統一的な見解というものも存在しない。

 イスラム教徒は、数ある見解の中から自分にとって「一番信頼できる」「しっくりくる」と思うものを選んでそれに従えばよい。ファトワのデータベース化によって、セカンドオピニオン、サードオピ二オンを知ることができるのは、イスラム教徒にとって、実に都合のよい仕組みなのだ。

 さらに、ネットサーフィンすれば、短時間で著名なイスラム知識人たちの見識を収集することが可能だし、最近では、コーランはもちろんのこと、預言者ムハンマドの言行録であるハディースを収録したデータベースソフトも広く出回っている。普通のイスラム教徒が、こうしたものを活用して、自分なりの解釈をすることも不可能ではない。

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