現在、中国には100を超える自動車メーカーがある。そのうちの上位20社程度が全体市場の80%強を担っている。しかし、中国政府はこの程度の「集中」には満足していない。

 年間400万台規模の大規模グループを4つ、年間200万台規模の中規模グループを4つ。合計8グループを中心に年産2500万台をコンスタントに達成し、売りさばく。これが中国政府が狙う国内自動車産業の姿である。

 中国の大手および準大手の自動車集団(グループ)が、海外のどのような自動車メーカーと提携しているかを以下の図に示した。そうそうたる顔ぶれである。言い換えれば「もう後には引けない」面々である。

 私は「いつか中国政府は外資撤収令を出して海外の自動車メーカーを追い出す」と思っている。外資の自動車関連企業の経営陣も少なからずそれを案じている。しかし、現在は儲かる。中国市場を見て見ぬふりをするわけにはいかない。外資による中国自動車産業への投資額は増える一方だ。

政府の悲願は数社の「大型自動車企業集団」への再編

 「内需は2500万台あたりで安定するだろう。これが減ってきたら輸出を増やす。世界の景気が良くなれば年産3000万台も夢ではない」──。

 このような発言は、現在の中国自動車産業にとっては大風呂敷でも何でもない。現実的な将来像である(ちなみに2010年の日本メーカーの国内生産台数は約960万台。中国の生産台数は約1800万台で世界一となった)。

 中国政府は、2004年に発表した「自動車産業発展政策」の中に、以下の3つの政策目標を盛り込んだ。