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中央銀行と金相場:紙の約束、黄金の塊

2009.11.18(Wed) The Economist

The Economist

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(英エコノミスト誌 2009年11月14日号)

中央銀行と金相場

200トンの金は一辺が2メートル余りの立方体になる。小さなベッドルームに収まる程度の大きさだ。だが、インドが先月、それだけの金を国際通貨基金(IMF)から購入した時は、市場にとてつもなく大きな影響を及ぼし、金価格を1トロイオンス=1100ドルを大きく超える水準にまで押し上げた。

 金の強気筋にとって、それが意味するところは明白だ。各国中央銀行はもはや他国政府の信用力を信じていない、ということだ。そして中央銀行が信頼しなくなったのだとしたら、民間の投資家も同じように信頼をおかなくなるはずである。

中国が追随すれば、1トロイオンス=1400ドルも視野

IMF、金準備403.3トンを売却へ

金価格は1トロイオンス=1100ドルを突破し、連日のように最高値を更新している〔AFPBB News

 この論理の鎖の次の段階は、ほかの中央銀行が金の保有に殺到する(あるいは少なくとも小走りで駆け寄る)事態を想定することだ。カナダの資産運用会社グラスキン・シェフは、中国がインドに追随すれば、金価格は1400ドルに達する可能性があると見ている。

 しかし、アジアの中央銀行がドルを放棄すると想定するのは大きな論理の飛躍だ。インドの外貨準備に占める金の割合は、今回の購入の後でもわずか6%に過ぎない。

 いずれにせよ、ドルから大急ぎで撤退すれば、アジアの中央銀行が現在保有している長期・短期の米国債の価値を損なうため、逆効果になる。自国通貨をドルに連動させている中国のような国は、戦略の一環として大量の米国債を購入せざるを得なくなっている。

 各国中央銀行は、今後、金塊の形で保有する外貨準備の割合を増やしたいと思っているのかもしれない。非常時に備えた保険というのが外貨準備の性格であり、非常時には、金の方が紙幣より価値を維持する可能性が高いからだ。

 このことは、厄介な結果を招く恐れがある。というのも、一部のエコノミストは金価格をインフレの先行指標と見なしている。ウェインライト・エコノミクスのデビッド・ランソン氏は、6年間の推移が最良の予測因子だと話す。金価格は過去6年間でほぼ3倍になった。

金本位制への回帰

 しかし、中央銀行の行動そのものが金価格を押し上げているのだとすれば、中央銀行はその金価格を引き締め政策を正当化する理由として使えるのだろうか?

 悲観的な評論家の中には、最近の信用過剰を紙幣に基づくシステムがもたらした必然的な結果と見なし、将来の危機を防ぐために金本位制に回帰することを訴える者もいる。本誌(エコノミスト)はこれまで、現行システムは持続不可能だと主張してきた。

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