リスクテークが金融機関のバランスシートに大きなレバレッジを利かせていたとあっては、その修正は仲介者にも経済にも壊滅的な打撃を与えるだろう。壊滅を防止できないとしたら、その結末は、歴史が教えてくれるように、劇的なものになる可能性がある。
1930年代の教訓を学んだ政府
幸いにも、各国の政府と中央銀行は1930年代の教訓から学び、金融システムおよび経済の崩壊を防ぐという、適切な判断を下した。まさに正しい「漸進的社会工学」の手法と言えるだろう。
同様に、経済危機の打撃を受けた中東欧の国々を救済するため、多くの取り組みが行われた。国際通貨基金(IMF)および欧州連合(EU)からの支援額は、IMFプログラムを受け入れた東欧4カ国でGDP比4~6%(場合によってはそれ以上)に上っている。
そして今、危機からの脱出を完遂するために、同様の現実主義を取る必要がある。これには全世界的な需要バランスの大幅な是正が不可欠となる。また、さらなる改革も必要だ。移行途上にある国では、金融統合を覆すことは、犠牲も大きく、無益だろう。むしろ、改革で何より優先すべき目標は、急激な変動に対する耐性を強化し、将来の過剰な信用膨張を抑えるという2点でなくてはならない。
同様に、世界的なレベルでは、金融・通貨システムにおける抜本的な改革が必要だ。露骨に言ってしまえば、現在の金融システムは、容認しがたいほどの規模で納税者のカネをだまし取っている。
このような状況には、以下に挙げる2つの方法のうちいずれかで終止符を打たなくてはいけない。金融セクターを市場の支配下に置くか、国家による厳重な規制の下に封じ込めるか、だ。繰り返しになるが、規制と通貨政策の策定に際しては、信用バブルの巨大化の抑制という重要な要素を決して欠いてはならない。
巨額債務を抱える超大国の通貨に依存していられない
最後に、世界通貨システムが過剰な債務を抱える1つの超大国の通貨に依存している現状は、望ましくないだけでなく、このまま維持することはできないはずだ。
記念日の節目は、現状を顧みる好機である。ソ連が率いた共産主義の崩壊は、輝かしい瞬間だった。その後、過ちや失望があったとしても、その輝きは今も変わらない。だが、今日の危機は、浮かれた資本主義の欠陥を我々に教えている。
共産主義が消滅したように、資本主義が消滅するようなことはもはやないだろう。だが、自由主義的民主主義の際立った長所は、学んで状況に適応することだ。我々は1930年代から学んだ。そして今、2000年代の教訓からも学ばなくてはならない。
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