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技術立国日本のトップ企業

目に見えないが必要不可欠

2009.11.11(Wed) The Economist

The Economist

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 ハイテク製品の多くはコモディティー化(汎用品化)していったが、一部の部品は、継続的な技術革新が必要なことから、そうなってはいない。ゆえにこうした部品の製造にはいまだ高い参入障壁がある。そして、最終製品の利益率は悪化しているが、特化したハイエンドの部品は今なお利幅が大きい。

 日本のハイテク産業のチャンピオン企業には、共通した特徴がある。研究開発(R&D)に相当な投資をしている。基本的な製品については海外工場で作っているが、ハイエンド製品の生産拠点は日本に置き、こちらは、日本人がよく言う言葉で「ブラックボックス」化している。

 サプライチェーンも自前で持っていることが多い。水晶部品を使うことのあるチップメーカーは通常自前で作っている。中にはコスト管理や供給元からの独立性の確保、さらには自社技術への理解を深化するために、製造装置自体を内製している会社もある。

 成功の大きな要因を聞かれれば、経営者は決まって顧客の質の高さを挙げる。こうした答えを聞くと、差し当たりは台本通り、あるいは恐らく日本人に典型的な謙虚さだろうという印象を受ける。優良顧客が厳しい基準を設け、供給元の企業にレベルアップを求めるのは当然だ。

 だが、ここにはそれ以上の意味がある。コバレントマテリアルの香山晋社長が指摘するのは、日本企業が秀でている部品、装置、材料は高度にカスタマイズされているという点だ。

 顧客企業と長年にわたる密接な協力関係を築いて初めて、供給元の企業は顧客の将来の技術計画を見通せるようになり、優れた技術を持つ供給企業ならば解決できるような微妙な問題について教えてもらえるだけの信頼を得ることができる。いったん技術でトップに立った企業を追い抜くのは容易ではない。

 さらに言えば、技術に関する知識には形にできるものだけでなく、暗黙のものもある。マニュアルを書いたり特許明細書を読んだりするだけではそうした技術は伝達できない。これは長年にわたって、仲間内で仕事をすることで蓄積されるものだ。これが競合相手にとっての参入障壁となる。

 だからこそ企業は、専門性の高いハイテク部門については、その他の領域で崩れつつある終身雇用を守ろうとするのだ。

 企業の強みはその時々の株価ではなく、従業員の集団心理の中に蓄積されるというこの考え方が分かれば、日本企業がM&A(企業の合併・買収)を嫌う理由も見えてくる。日本企業は買収について、西側のように事業の自然な結合プロセスと捉える見方はせず、これに抵抗する。

 皮肉なことに、日本の隠れたチャンピオン企業の成功は、日本の大手電機メーカーに打撃を与えたハイテク産業の構造変化が一因となっている。どの国の企業も、製造業に参入するための装置、薬品、ノウハウなどを買えるようになったことで、日本の有名ブランドは苦境に立った。だが、まさにそうした装置や化学品、ノウハウを提供する企業も、日本にあるのだ。大手メーカーが苦しむのをよそに、中堅企業は大いに潤った。

迫り来る海外企業

 ただし、いかに素晴らしいといっても、日本企業がずっと優位を維持できると保証されているわけではない。日本企業が市場を制覇できたのも、1つには外国(大抵は米国)の技術を取り入れて改善したからであり、市場支配も、最初は低コストで、次に品質を高め、最終的に技術的優位によって、と順を追って確立したものだ。

 その過程で、日本企業は顧客と緊密な協力関係を築き、顧客の正確なニーズを詳しく知り、そのニーズを満たした。先端技術と顧客の信頼は、堅固な参入障壁を築いている。そして今問題になっているのは、日本がかつて米国に対してやったことを、中国、韓国、台湾が日本に対してできるのかどうか、ということだ。

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