(2009年11月3日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
1989年11月、ベルリンの壁が崩壊し、東西再統一という壮大な実験が始まった〔AFPBB News〕
旧東西ドイツの再統一は、世界で最も大胆かつ法外なコストがかかる経済実験の1つだった。だが、ベルリンの壁が崩壊して20年経った今も、1つの疑問が残る。果たして実験は成功したのか、という問題だ。
1989年の平和的な革命により、東欧諸国の大半は市場経済を喜んで受け入れた。
しかし、旧ソ連ブロックで最も厳しく統制された経済の一角を占めていた国と、当時の西側でトップクラスの経済規模を誇り、開放経済として最大級の成功を収めていた国の統合は、過去に例のない一大事業だった。
実際、再統一は巨大な試みで、総費用は1兆2000億~1兆6000億ユーロと推計されている。旧東ドイツ企業に直接支給された補助金、インフラの再構築費用、新しい政治機構の立ち上げ費用、そして1989年に東ドイツに住んでいた1670万人の大半に支給された福祉手当などの総額である。
昨年の世界的景気後退と戦うために各国政府が大規模な財政政策を行った時、多くの専門家がこの旧東西ドイツの再統一に目を向けた。大規模な政府の介入が先進国経済にどのような影響を及ぼすかを知るのが狙いだった。
韓国人に再統一について聞かれたら、「ドイツの轍を踏むな」
しかし、再統一に対する関心はもっと幅広い。中でも熱心に研究しているのは韓国政府だ。いつか北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)と統合する時に備え、教訓を学び取ろうとしているのである。
「韓国の友人から経済統一について尋ねられたら、ドイツの事例を勉強して、その轍を踏まないようにしなさいと答えることにしている」。ドイツ東部の都市、ハレにあるハレ経済研究所(IWH)のウド・ルートヴィヒ氏はこう語る。
一見すると、旧東ドイツ地域の統計統計は良好で、ルートヴィヒ教授の厳しい評価とは矛盾しているように思える。
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