(2009年10月27日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
危機に襲われた小国アイスランドは26日、グローバル経済の辺境にさらに一歩近づいた。マクドナルドが同国にある3店舗を閉鎖すると発表し、将来戻ってくる計画はないと述べたのだ。
昨年の銀行セクターの破綻まで、国民1人当たりのGDP(国内総生産)で世界屈指の富裕国に数えられたアイスランドだが、今回の店舗閉鎖により、アルバニア、アルメニア、ボスニア・ヘルツェゴビナという、欧州でマクドナルドがない一握りの国の仲間入りをする。
マクドナルドの撤退は、アイスランド経済の凋落ぶりを浮き彫りにしている。危機以前の好況期には、「海賊乗っ取り屋」と呼ばれた同国の起業家たちが首都レイキャビクを国際金融センターに一変させ、欧州の有名資産を買い漁った。
マクドナルドは店舗閉鎖の理由として、「非常に厳しい経済環境」と、北極圏の端に位置し、人口が30万人しかいない島国で事業を展開する「特殊な営業上の複雑さ」を挙げた。
クローナ急落で材料輸入コストが倍増
アイスランドのマクドナルドで使われる材料の大半は、ドイツから輸入される。アイスランド・クローナが急落する一方、ユーロ高が進んだために、コストが倍増することになった。
アイスランドでマクドナルドのフランチャイズ権を持つライスト幹部のマグナス・オグムンドソン氏は、そこそこの利益を捻出するためには、20%以上の値上げが必要だったと言う。
それだけの値上げに踏み切れば、ビッグマック1個の値段は、スイス――ビッグマック指数によると、マクドナルドの値段が世界一高い国――の5.75ドルを大きく上回ることになった。
オグムンドソン氏によれば、これだけ認知度の高いブランドがアイスランドを見捨てることの象徴性に懸念を示す顧客がいる一方、前向きに受け止める人もいるという。「当社がもっと多くの材料を地元で調達するようになると言って喜んでいますよ」と同氏。
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