ここまで説明するとお分かりいただけると思うのですが、地方はすでに高齢化が進んでおり、福祉施設の整備もある程度進んでいます。それに対して、これから高齢者「数」が急増する首都圏は、福祉施設の整備が全く遅れているのです。
首都圏から地方に送り込まれる高齢者
首都圏は福祉施設の整備を税金で賄えばいいじゃないかと思う方もいるでしょう。しかし、そう簡単にはいきません。なぜなら、土地の値段が高いことに加え、福祉施設の安い賃金で働く人が雇いにくいからです。
例えば、牛丼屋のアルバイトは時給1000円を超えるのに、それでも日本人の若者はなかなか集まりません。それ以上にきつい福祉施設の労働に若者が集まるでしょうか。
では、どうなるか?
今年の3月に象徴的な事件が起こりました。群馬県の渋川市で、無届けの老人ホームが火事になって10人のお年寄りが焼け死んだという事件(産経ニュースの記事)です。
焼け死んだ人は、東京都墨田区から送り込まれた生活保護の高齢者だったのです。都内では全く施設が不足しているので、群馬県に送り込まれていたのです。しかも、火災防止の設備が不十分な無届けの施設に、です。
なぜなら、安くつくからです。
この事件は、これからも老人福祉施設の整備のスピードが上がらなければ、多くのお年寄りが地方に送り込まれることを意味しています。そして、それは、皆さんや皆さんのご家族なのかもしれません。
地方の人にこのような首都圏の時限爆弾が爆発するという話をすると、「それみたことか」という反応を見せます。地方を軽視した罰だと。
でも、地方の人は忘れています。「地方交付税交付金」というお金は、首都圏で徴収した税金を地方に分配している制度だということを。
東京や神奈川が福祉施設の整備で財政が悪化すれば、地方に回るお金はなくなってしまうのです。
都市と地方は色んなところでつながっています。この高齢化の問題についても、機会を見て、私の考える対策をお話ししていきたいと思います。
- コメントはまだありません。
» コメントを書く
- 地域活動に「ただ乗り」しようとしていませんか? (2010.05.20)
- 田舎の土地は持ち主不明? 日本の「所有権絶対」主義が地方を蝕む (2010.04.21)
- 地方都市で廃屋が放置されているのはなぜか (2010.04.07)
- 「最期は自宅で」が可能な社会をどうつくるか (2010.03.24)
- 夕張の地域医療活動が映し出す日本の将来 (2010.03.10)
- ■中国中国人はなぜ世界中で嫌われるのか (09月03日)
- ■Financial Times誰でも一度は首相になれる国ニッポン (09月03日)
- ■The Economist米国の失業:景気より厄介な問題 (09月03日)
- ■日本のものづくり何事も「適度な頃合い」っていうのが大切なんだ (09月03日)
- ■国防日本から大切なヘリコプターが消えていく (09月03日)


RSS
Twitter
最新記事
最新記事
SHARE
RESIZE
Small Size
Large Size
PRINT
Small Size
Large Size









