英国のまやかしの歳出削減議論

2009.10.13(Tue) Financial Times

Financial Times

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(2009年10月9日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

「我が国は英国近代史における最大の財政赤字に直面している」。英保守党の影の財務相ジョージ・オズボーン氏は、先日開かれた党大会の演説をこう切り出した。彼は正しい。問題は、何をいつ、どのようにやるかだ。

 国際通貨基金(IMF)によると、英国の一般政府の財政赤字は今年GDP(国内総生産)比11.6%、2010年には同13.2%に達するという。米国の赤字はそれぞれ12.5%と10.0%に上る。

恐ろしいほどの財政赤字を抱える双子

 2007年には、英国の純政府債務残高はGDPの38%だったのに対し、米国は42%だった。IMFの予測では、2014年までに債務比率が英国は92%、米国は85%に上昇しているという。大西洋を挟んだいとこ同士は今、恐ろしいほどの財政赤字を抱える双子になっている。

 何をするか決める時は、不確実な要因を認識しなければならない。我々には、「構造的な」財政赤字がどれくらいあるのか分かっていない。投資家の信頼を失くさずして、どれほど先まで調整を先延ばしできるのか分からない。また、財政引き締めがどれくらい総需要を弱めるのかも分かっていない。

 しかし、過度に楽観的になることの代償は、過度に悲観的になる場合の代償より大きい可能性が高い。この点を考慮して、政策立案者は対応を決めるべきだ。

 どれだけ多くのことがなされるべきかについて、英財務省は3月の予算で、賢明にも悲観的だった。財政研究所(IFS)が最近言及したように、財務省が実行しようとしている財政引き締めの規模は全体で、2009~10年度から2017~18年度にかけてGDPの8%(現在の金額で約1000億ポンド)に上る1

 これは、政府支出総額の6分の1、公的部門の支出の3分の2、イングランドの国民健康保険制度への支出総額に匹敵する規模だ。さらに、追加の引き締めを想定しない場合、公的部門の純債務残高は今から20年後になって、ようやく危機以前の水準に戻る。今回の危機は、恐ろしいほど長い影を落としているのだ。

 こうした引き締めはどのようにして達成されるのだろうか。これは、思いがけない実質所得の減少を国民全体でどのように分担するかを巡る政治的判断となる。

いかにして財政を引き締めるか

 政府支出総額はGDP比48%に達すると予想されている。これは英国で政治的に受け入れ可能な税水準から見てあまりに高すぎる、というのが筆者自身の見解だ。

 非常に興味深いのは、労働党も保守党も歳出が打撃を受けなければならないという点で意見が一致していることだ。政府の計画では、「国民所得に占める割合で見た場合、労働党政権下でこれまでに行われた公共サービスへの歳出増加の大部分が覆される見込みだ」とIFSは指摘する。

*1=Britain’s Fiscal Squeeze: the Choices Ahead, www.ifs.org.uk

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