目覚めよ、欧州!

アイルランド国民投票後のEU

2009.10.13(Tue) The Economist

The Economist

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(英エコノミスト誌 2009年10月10日号)

世界最大の経済圏は今こそ眠りから覚め、グローバルな役割を担うべき時である。

アイルランド、再国民投票でリスボン条約の批准を承認

アイルランドは10月2日の国民投票でリスボン条約の批准を承認した〔AFPBB News

欧州本土から離れた小さな島で、分かりにくい文書に関する国民投票が実施されたという話は、退屈なニュースに聞こえる。しかし、10月2日にアイルランド国民が投票でリスボン条約批准に賛成したことは、欧州連合(EU)にとって画期的な出来事だった。

 リスボン条約――チェコに関して混乱の可能性は残るものの、今や発効が確実になったように見える――は、今後何年もかかるだろうEU体制構築における最後の大きな一片になる可能性が高い。

 また、この条約は世界最大の経済圏に深刻な疑問を投げかけるものでもある。

 欧州は今、連邦制に向かって確たる進化を続けているのか? 欧州は経済のトレンドを作り出す存在になれるのか? 眠りから覚め、世界の中でより大きな役割を担うようになるのか? それとも世界情勢はワシントンと北京でほとんど決められ、この新「G2」が時折ブリュッセルの官僚に自分たちの判断を知らせる、ということになるのだろうか?

 やや無益な感があるリスボン条約の中には、これらの疑問に対する答えはほとんど見つからない。同条約は、2005年にフランスとオランダの国民投票で否決された欧州憲法条約案を、あえて不明瞭になるよう作り直したものだ。

 本誌(英エコノミスト)はこの憲法に反対した。その理由は、2001年にベルギーのラーケンでの欧州理事会で定められた諸目標――規則の簡素化、EU中枢と加盟各国政府との間の権限配分の明確化、透明性の向上、EUと有権者の距離を近づけること――を成し遂げることに完全に失敗していたからだ。

 憲法条約案から合計6回の国民投票で3回否決され、10カ国の政府が国民投票を実施する約束を反故にしたにもかかわらず、リスボン条約の発効に向けた動きが推し進められているのは、ひどく嘆かわしい事態である。

リスボンの教訓

 ユーロ懐疑派の一部は戦いの継続を望み、来年前半までに実施される英国の総選挙で保守党が勝てば、新たに国民投票が実施されるかもしれないと期待している。チェコがそれまでに条約を批准していると仮定すると、そのシナリオは危険なうえに的外れでもある。

 危険だという理由は、全加盟国(英国を含む)が既に条約に調印しているとすれば、この問題はただちに英国がEUを離脱するかどうかの議論に発展するからだ。これは全加盟国にとって、あまり役に立たない条約を甘受するよりもはるかに悪い結果をもたらす。

 的外れだという理由は、今は欧州を巡って、リベラル派の主張が勝利できる、また勝利すべき実のある議論ができる時だからだ。

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