マット安川 政界が混乱していることは明白でも、どうしてこうなっているのか、今後どうすればよいのか・・・なかなか見えません。長く政治評論を続け「足で情報収集」を貫く浅川博忠さんから、現状の因果と展望をうかがいました。

民主党議員は捨て身の覚悟で菅首相に退陣迫れ

「マット安川のずばり勝負」ゲスト:浅川博忠/前田せいめい撮影浅川 博忠(あさかわ・ひろただ)氏
政治評論家としてテレビ・ラジオ、週刊誌などで政治解説、コメンテーターを務める。『小沢一郎 独走す』(東洋経済新報社)など、著書多数。(撮影:前田せいめい、以下同)

浅川 菅(直人、首相)さんは、8月31日の通常国会会期末までに本当に辞めるのかどうか。民主党の議員はもっと捨て身の覚悟で菅さんを辞めさせるように迫ってほしい。

 それは岡田(克也)幹事長以下執行部の対応にかかっていますが、しかしいま見ていると、みんなおよび腰です。

 特に小沢(一郎、民主党元代表)さんは6月2日の内閣不信任決議案の時に、前の晩に71人の子分を集めた。にもかかわらず、当日になると菅さん鳩山(由紀夫、前首相)さんの会談を受けて、本人は議場に入らないで棄権し、自主投票させて不信任案の成立を阻止した。

 今回は本気にならなければ。小沢さんにとっては政治生命の最後がかかった戦いになるはずですからね。

 菅さんのことが好きだ嫌いだという個人的な感情は別にして、超ベテラン議員として国の行く末を考えながら、ここは最後の勝負を本気でやるんだという腹をくくった対応をしてほしいです。

ポスト菅のカギ握る小沢グループ。有力なのは「3K」

 ポスト菅のカギを握るのは小沢グループです。小沢さんがどう動くのかは未確認ですが、小沢さんが選ぶであろう「3K」という人たちがいます。

 1番が鹿野道彦(農林水産相)さんです。当選11回生で、小沢さんと同じ昭和17年生まれ。かつて自民党にもいて安定感、重量感があります。

 2人目は海江田万里(経済産業相)さん。3人目は旧民社党系の川端(達夫、前文部科学相)さんです。この3人の共通項は、60代ということです。みなそれなりのキャリアを重ねている。若い世代を待望する声もありますが、不安定な要素があるのでまだ安心しては任せられません。