(2009年9月9日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
世界的に原発回帰の動きが広がっている〔AFPBB News〕
ロシアのウラジーミル・プーチン首相が8月にアンカラを訪問した時、目的の1つは、民生用原子力を開発しようとするトルコの長年の夢に新たな命を吹き込むことだった。
トルコ南東部、地中海沿岸に位置するアックユで計画されている原子炉建設――1970年代に構想が立てられ、現在ロシアとトルコのコンソーシアムによって開発されているプロジェクト――は、今なお価格交渉を巡って計画が遅れ遅れになっている。
だが、トルコは原子力発電所を手に入れる決意が固いことをはっきり表明した。
2000年に計画を棚上げした際、トルコのビュレント・エジェビット首相(当時)は、世界が原子力に反対していると述べた。それが今、英国のトニー・ブレア前首相が以前言ったように、「猛烈な勢いで」復活している。
もし世界が自らのエネルギー需要を満たし、気候変動の脅威に取り組もうとするのであれば、多くの国がトルコのように初めて民生用核技術を手に入れなければならないだろう。
米国のバラク・オバマ大統領はプラハでの演説で次のように述べている。「すべての国は平和的な原子力エネルギーにアクセスできる・・・(中略)・・・我々は、気候変動と戦い、平和を推進する取り組みのために、原子力エネルギーの力を利用しなければならない」
エネルギー源を確保し、地球温暖化と戦う手段
原子力エネルギーは世界の電力の約15%を供給している。約30カ国が原子力発電を行っており、今後10年間で新たに10~20カ国が加わると見られている。現在稼働中の原子炉は370基。国連機関の国際原子力機関(IAEA)によると、今から2050年までに1400基の原子炉が新たに建設される可能性があるという。
原発増設の動きは、西側諸国の政策立案者たちに難問を突きつけている。今まさに、米政権が急ぎ取り組もうとしている問題だ。世界が気候変動対策の目標を達成し、エネルギーの安定供給を確保するためには、原子力が必要かもしれない。だが、原子力には安全保障上の重大な懸念も付きまとうのだ。
平和的な原子力を破壊的な兵器と切り離すことは、言うや否や実行できるようなことではない。大半の近代的な原発の燃料である濃縮ウランは、非常に濃度を高めた形で核兵器に使われる。米政府および同盟諸国としては、民生用原子力の利用拡大によって、今より多くの国が核兵器を手にする事態を防ぎたい。
過去数十年間で、インド、イスラエル、パキスタンの3カ国が「原子力の平和利用」プログラムを通じて手に入れた原料と技術を使って核爆弾を作った。今懸念されているのは、イランが同じことをしているという疑惑だ。
「民生利用を広める一方で、核兵器の広がりを食い止める方法を見つけることが、今後1年間のオバマのアジェンダの中核を成す」と、ある欧州政府高官は言う。
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