そうした点で前例となるのが、2009年4月23日に青島で実施された中国海軍創設60周年を祝う国際観艦式だろう。
中国は北海艦隊の艦船を中心に25隻の艦艇を登場させたが、その中国艦隊の先頭を切った4隻は「夏」級ミサイル原潜、「漢」級攻撃型原潜、「宋」級ディーゼル潜水艦、「ロメオ」級ディーゼル潜水艦だった。とりわけ注目されたのが「夏」級ミサイル原潜で、メディアはこぞって「中国がミサイル原潜を公開するのは初めて」と報じた。
しかし、「夏」級ミサイル原潜は80年代に配備された老朽艦であり、攻撃型原潜の「漢」級も同様で、「ロメオ」級にいたっては、博物館から引っ張り出してきたとも言える年代物だ。しかも「夏」級は通常、青島の原潜基地に係留されたままであり、パトロール任務に就いたことがない「戦力外」の存在とされてきたから、その出現は「まだ動くのか」という驚きですらあった。
この潜水艦のラインアップは、中国の潜水艦の発展を時系列的に示す意味があったかどうかは分からないが、新型の「晋」級ミサイル原潜、「商」級攻撃型原潜を登場させないことで中国の「脅威」を抑制させたと言える。
こうしたことから考えられるのは、対外的に脅威を煽る弾道ミサイルなどの攻撃兵器の露出は控え目になされるということだろう。その代わり「KJ-2000」や「KJ-200」など空中早期警戒管制機(AWACS)、「J-10」国産戦闘機などが注目を集めそうだ。
また、対テロ戦力も今回は注目点となる。武装警察部隊の特殊部隊「雪豹突撃隊」がクローズアップされるだろう。この部隊は2年前に組織され、胡錦濤自ら命名したという武警の対テロ精鋭部隊である。
すでに始まったポスト胡錦濤への動き
実は、10月1日の軍事パレードの前に重要な会議が開催される。9月15日~18日のスケジュールで開催される中国共産党17期中央委員会第4回全体会議(17期4中全会)がそれであり、ここで習近平・国家副主席が中央軍事委副主席に就任するかどうかがポイントである。
胡錦濤が中央軍事委副主席になったのが99年で、3年後の2002年に総書記になった。そうした前例から見て、次の党大会が開催される2012年の3年前である今年、胡錦濤を継ぐ指導者が中央軍事委入りすることが予想されており、その最右翼が習近平とされている。
胡錦濤が中央軍事委入りして10年、軍事パレードで閲兵する晴れ舞台が用意される一方で、その退場への準備も進められることになる。今後、否応なく胡錦濤政権のレームダック化が進むことが予想される。
思えば、胡錦濤ほど軍に対する掌握度に疑問を持たれた指導者はなかった。現在でも、胡錦濤の主張する国際協調を主眼とした「平和発展」論や「和諧外交」に対する軍の抵抗は大きいと言われる。
天安門の壇上から「閲兵」を行う胡錦濤の胸中に去来するものは何だろうか。
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