(英エコノミスト誌 2009年9月5日号)
日本の有権者が投げ捨てたのは、1つの政党だけでなく、1つの体制全体だった。
8月30日、日本の有権者は歴史的な判断を下した〔AFPBB News〕
日本は、礼儀正しく、総意によってまとまった平等主義の国である。経済の低迷が続いているとはいえ、国の大部分はまだ裕福だ。2大政党の所信は多くの場合、見分けがつかない。両党の党首は(互いにライバルだった)首相経験者の孫だ。
8月30日に総選挙の結果が出た時も、騒々しく祝う動きは見られなかった。となれば、この票決は驚天動地の出来事ではないと結論づけたくもなる。
だが、それでは事態を見誤ることになる。民主党が半世紀にわたる自民党の支配を終わらせた今回の選挙結果は、戦後日本の政治体制の遅すぎた破滅を象徴している。問題は、何がそれに取って代わるか、だ。
体制の変革
今回の票決を大きな変化の印と考える理由は3つある。第1は、民主党の勝利の規模だ。自民党が過去に1度だけ政権を失った1993年は、国会では余裕を持って第1党の座を守り、11カ月足らずで政権に返り咲いた。
だが今回、自民党は壊滅的な打撃を受けた。定数480のうち300を占めていた衆議院の議席が、わずか119議席まで減ったのだ。一方で民主党は308議席を獲得した。
第2は、自民党に対する拒絶が、日本の政治文化の深部で進行してきた様々な変化の集大成として起きたことである。
冷戦の結果として米国寄り、財界寄りになった自民党は、同党の温情的干渉に対して消費者団体や非営利組織が批判を徐々に強めてきたこの20年間に、じわじわと弱体化した。1990年代半ばの選挙制度改革は、小選挙区制を導入したことで、自民党に対抗し得る勢力が形成される下地を整えた。
第3は、自民党政権を終わらせることによって日本の有権者が投げ捨てたのは、1つの政党だけでなく、体制全体だったということである。1955年の自民党結党以降、政官財の「鉄の三角形」は猛烈な速さの経済成長を推進し、その成果を公平に分配してきた。
大企業には低利の融資を、建設会社には請負契約を、国民には仕事を、農家には補助金を、そして自民党組織には再選を、という具合だ。
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