(2009年9月1日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
深刻な景気後退が始まった昨年、日本の運命は西側諸国に対する恐ろしい警告だという指摘があちこちでなされた。ここで政策対応を誤れば、米国も欧州連合(EU)も日本流の「失われた10年」に陥り、その後何年も低成長に喘ぐことになりかねない、とされた。
日本国民が日曜日の総選挙で民主党を選び、50年以上続いた自民党の一党支配に終止符を打った今、西側では新しい見方が台頭しつつある。これは政治革命だ、日本は長年の低迷と決別する大きなチャンスを手にした、という見方である。
しかし、どちらの見方も間違っている。民主党が日本の制度や仕組みを大幅に変えようとすることは考えにくいし、そうすべきでもない。なぜなら、日本の過去20年間は、西側の評論家たちが考えているほど悲惨なものではなかったからだ。
政治革命でもなければ、過去との決別でもない
確かに、資産バブルが1990年に崩壊して以来、日本の経済成長のペースは鈍く、株価は低迷し、国の借金は大変な規模に膨れ上がった。だが、こうした苦難にもかかわらず、この国は安定しており、考え方も健全。裕福で、エキサイティングな国でもある。
政治的にも文化的にも、いや経済的に見ても、西側に対する警告というよりは、厳しい状況が長期間続く時ににどう対処すべきかという格好のお手本を見せてくれているのである。
多くの外国人は、他国に比べて低迷していた時期にも日本国民が自民党に政権を任せ続けたことを不思議に思っていた。中には、この国があまり民主的でない証拠だと決めつける人すらいた。しかし、実は日本も新しいことに挑戦し、変わろうとしていた。
例えば、日本は派手なパフォーマンスで知られる小泉純一郎氏を首相に据えた。2001年から2006年にかけて、自由市場を志向する方向に日本の舵を切った人物である。そして日本は今回、自民党に比べれば米国モデルにあまり好意的ではない、鳩山由紀夫氏率いる民主党に政権を委ねた。
しかし、日本は常に一定の範囲内で変化を求めてきた。欧州や米国では、深刻な景気後退は過激な政治主張をかき立てるという心配がよくなされる。恐らく、これは故なきことではない。米国の政治にはヒステリックな傾向が見受けられるし、欧州では極右・極左政党の得票数が増えているからだ。
経済停滞に巧みに対処してきた日本人
しかし、日本の国民はもう20年近く厳しい時代を経験しているのに、一度も過激な政治主張に走っていない。
その理由は、日本がこれまでの困難な経済状況に、外国人が思っているよりもはるかに巧みに対処してきたことにあるのかもしれない。例えば英エコノミスト誌は折に触れ、「人を落胆させる日本の驚くべき能力」について嘆く記事を掲載してきた。
確かに、外国人投資家が過去20年間の日本株市場に特に失望してきたのは間違いない。何しろ、バブル期のピークには3万9000円台だった日経平均株価は最近は1万500円を少し上回る程度だ。
- 「ポジティブなコラム」 ikanbiru(2009.09.02)
- 「G. Rachman氏は、ジャーナリストというよりは評論家?」 CrazyDog(2009.09.03)
- 「FT: 未だ日本に対する理解は低い」 Astroboy(2009.09.13)
- 二番底の懸念が高まる世界経済 (2010.07.30)
- インドのカメは速度を上げよ (2010.07.30)
- 社説:ロシア経済の再民営化のススメ (2010.07.29)
- 米国経済、景気刺激策は奏功したのか? (2010.07.28)
- 社債発行に走る米国企業 (2010.07.28)
- ■中国中国人が日本に大量移住、その数毎週500人 (07月30日)
- ■Financial Times二番底の懸念が高まる世界経済 (07月30日)
- ■Financial Timesインドのカメは速度を上げよ (07月30日)
- ■The Economistハンバーガー経済学で通貨を読む (07月30日)
- ■国防ネット時代は兵器より情報が勝敗決す (07月30日)


RSS
Twitter
最新記事
最新記事
SHARE
RESIZE
Small Size
Large Size
PRINT
Small Size
Large Size









