目次

要旨
1 「国際競争力の強化」に関する国際環境
2 「国際共同開発」と「独自開発」のシナジー効果
3 防衛技術基盤整備に当たっての留意事項
4 新たな「科学技術立国」を目指した「次代を担う人材の育成」

要旨

 今日、我が国は、「明治維新、昭和の戦後復興に次ぐ『第三の復活』の時代に入った」と言われている。この時代を切り開いていけるか否かは、まさに、防衛力整備を含むあらゆる分野における「科学技術力」とその源泉である「人材」の育成にかかっている。

 この際、「東日本大震災」の復興事業、そして「原子力発電所事故」の収拾などには長期間を要するとしても、日々「科学技術基盤の維持・強化」のための研究開発競争が繰り広げられていることを踏まえるならば、1日たりとも研究開発の「一時中断」はあり得ない。

 つまり、1923年9月1日に生じた「関東大震災」の折、「国民新聞」の編集長であった徳富蘇峰(1863~1957年)が世界各国からの日本に対する災害救助について明言したように、「国益の問題は、諸外国からの友情・同情とは次元の異なること」をしっかりと理解しておくことが肝要であろう。

 以下、新たな「科学技術立国」を目指した「次代を担う人材の育成」の意義について、述べてみたいと思う。